15秒の映像の解説

15秒の映像の解説



はこだて国際科学祭2010の会期中、函館市電車内で上記の食と科学に係わる映像配信を行いました。

世界の飢餓状況 → 6秒に1人の子どもが飢えを原因として命を落としています

現在、飢えは世界第一位の死亡原因で、世界の飢餓人口は10億人近くにまで上がっています。時間に直すと「6秒に1人」、子どもが飢えを原因として命を落としています。飢餓の原因としては、「自然災害」や「紛争」、「HIV/エイズ」などが挙げられます。また、2007年頃から食糧価格が高騰し、飢餓状況が急速に悪化しました。ひとつの原因として、環境にやさしいとして注目を集めるバイオ燃料の原料として穀物が使われていることなども挙げられます。

畜産物の「国産」という表示の意味 → 国産≠「生まれてから加工されるまでずっと日本にいた」

畜産物の「国産」とは、国内における飼育期間が外国における飼育期間(2以上の外国において飼育された場合には、それぞれの国における飼育期間)よりも長い家畜を国内でと畜して生産されたものを指します。つまり、日本にいた期間が外国にいた期間より長いと国産と表示できるのです。

炭酸飲料は本当に骨を溶かすのか → 実は骨は溶けません!

「炭酸飲料は骨を溶かす」という説がありますが、これは誤りです。骨の主成分はリン酸カルシウムですので、炭酸飲料や食酢などの酸性の溶液に浸せば、条件によってはミネラル類はある程度溶け出す場合もあります。しかし、実際に炭酸飲料に骨を浸しても溶けず、むしろ酢やレモン汁のほうが溶けます。また、骨を直接液体に浸して生じる現象を、その液体を飲んだ場合にも起こることのように短絡させ、「炭酸飲料は骨を溶かす」としているのではないでしょうか。

プリン+しょうゆ=うに? → 科学的に、「プリン+しょうゆ」は「うに」の味である!

一時期、話題となった「プリン+しょうゆ=うにの味」。一度はプリンにしょうゆをかけて食べてみたことはありませんか?「全然うにではない!」や「確かに、うにに近い。」などさまざまな感想をお持ちだと思います。しかし、「プリン+しょうゆ」は「うに」に近いことが科学的に証明されました。人が味を感じる仕組みを参考に開発された味覚センサー。そこで、5つの味覚で「プリン+しょうゆ」と「うに」を比べると、なんと5つの味覚の感じ方がほぼ同じとなるのです!

トマトとトマトジュース、体に良いのは? → 減る栄養素もあるが、吸収率は上がる!

緑黄色野菜には多彩なカロテノイドが含まれています。カロテノイドは血液中や細胞膜などで重要な生理機能を補います。たとえば、トマトには「リコピン」と呼ばれるカロテノイドが含まれています。生でトマトを食べたときの「リコピン」の吸収率を「1」とすると、トマト加工食品の場合はその「16倍」の吸収率になります。ただし、加工することで減少する成分もあるので、生野菜と野菜ジュースなどは上手に摂取する必要があります。