その枠組みの中で,はこだてサイエンス観光マップ(2009年6月13日現在工事中)を企画しています。執筆者が訪れた場所やお勧めの観光地などを科学の小ネタを交えて紹介します。さっぽろサイエンス観光マップを参考としました。
登録後どなたでも投稿出来るブログとして運営する予定ですが,現在のところプラットフォームが未整備です。当面はサイエンス・サポート函館のコーディネーターブログの中で,コーディネーターの金森1名を投稿者としてやっていきます。
さて,今回紹介するのは,函館のおとなり,北斗市(旧大野町)にある上二股タケノコ園です。
より大きな地図で 試作版_はこだてサイエンス観光マップ を表示
北海道でタケノコと言えば,ネマガリダケ,竹ではなく,笹の子を指します。
姫竹とよんだりもします。
函館市民の市場,中島廉売でタケノコとして売っている(函館新聞,2009/05/15)のもネマガリダケでした。
札幌出身の私は,もしかしたらタケノコ園は竹林なのでは?とあらぬ期待をしていたのですが・・・
行きついた上二股タケノコ園は笹ヤブとその中を巡る小道でした。
やっぱりここは北海道。タケノコと言えばササノコでした。
■ササノコ採りの注意点
大事なことなので,はじめに。
ササノコ採りは山菜採りの中でも一番危険な部類に入ります。なぜ危険なのか,列挙します。
【危険1.どちらから来たのかわからなくなる】
ネマガリダケの背丈が人の身長より高く,密生しています。またササノコを探して下ばかり向いていることが多いので簡単に方向がわからなくなります。
【危険2.ヒグマと遭遇する可能性が大きい】
ヒグマもササノコが好物です。また,笹ヤブの中は視界がきかないので接近しても気付きにくいです。
【危険3.来たルートを戻れないことがある】
ネマガリダケは斜面下方に向かって成長します。斜面を下るときはすんなり行けるのですが,逆に戻ろうとすると逆立っているので簡単ではありません。
ではどうすればよいのか?
【対策1.あまり深く入らない。あるいはハンディGPSを携行する。】
道路や小道にすぐ戻れる範囲で採るのが基本と思います。
頻繁に山菜を採りに行かれる方にはハンディGPSもお勧めです。
(無理やり科学ネタ:生活に欠かせないGPS|JAXA準天頂衛星システム)
※ハンディGPS:GARMIN製のものが有名です。登山用品店や通信販売で手に入ります。値段は3万円位から。携帯電話のGPSはほとんどの機種で通話圏外では使えないのでご注意を。本番で使用する前に使い方を習得しておくこと,予備の電池を携行することも大切です。
【対策2.音を出す。常に気配に注意する。ゴミを残さない。熊スプレーを携行する。】
まずヒグマに出会わないためにヒグマに自分の居場所を知らせること,ヒグマがいないか注意することが大切です。特に見通しの悪い笹ヤブに入っていくときは鈴を携行したり,笹ヤブに向かって何か声を出してから入るのがよいです。
ゴミを残さないことは,景観を守り他の入林者に不快感を与えないために重要ですが,それ以上にヒグマに人間の食べ物の味や臭いを覚えさせないという意味で重要です。
熊スプレーとして,唐辛子の成分,カプサイシンのスプレーが市販されています。1万円前後と高価ですが,実際にヒグマに襲われた時に撃退できる可能性があります。必須とは思いませんが,あったらよい道具です。
(おすすめヒグマ情報:渡島のヒグマ|北海道渡島支庁;生態から対策まで,科学的で充実しています。)
【対策3.無暗に斜面を下らないようにする】
一番良いのは,道から斜面を登りながら採りに入り,下れば必ず道にぶつかるような場所を選んでササノコを採ることです。斜面を下ると上に戻るのが大変です。
帰りのことは常に頭にいれておきましょう。
***
非常食の携帯,ヘッドライトや救急セットの携行,家族に行き先を告げておく等,いざ遭難してしまった時の対策も忘れずに。
***
最近,タケノコ採りの事故があまりにも多いので一般的な注意を長々と書いてしまいました。
■初心者にもお勧め!上二股タケノコ園

危険なササノコ採りですが,上二股タケノコ園はあまり経験や知識のない方にもお勧めできます。
【お勧め1.行方不明になる可能性が低い】
上二股タケノコ園は,笹ヤブの中を何本も小道が走っていますので,迷っても道に抜けられる可能性が高いです。また,常駐の管理人が入林者をチェックしていますので万が一遭難しても対応が早いです。
【お勧め2.ヒグマとの遭遇可能性が低い】
上二股タケノコ園では爆竹による熊避けが行われているのでヒグマとの遭遇リスクが低いです。
【お勧め3.トイレが整備されている】
山菜採りの時に困ってしまうのがトイレ。上二股タケノコ園にはトイレが設置されています。
【その他注目点1.タケノコ園という仕組み】
山菜は乱獲すると資源の維持が困難です。山菜採りには次の年にまた同じ場所で採取来るよう,全ての芽を摘まない,根こそぎ取らない等々のマナーがあります。また特定の場所に多くの人が集中しすぎないよう,どこで採れる,等の情報はあまり共有しません。
ところが,こと,ネマガリダケに限っては,ササノコをとらないと,どんどん笹ヤブが茂って荒れてしまいます。ササノコはどんどん採ってよい山菜なのです。
ある程度管理し,遭難の危険を低く保ちながらたくさんの人に来てもらう仕組みはよく出来ています。
【その他注目点2.有料で入林するという仕組み】
日本,特に北海道では山や林の中に入るのにお金を取る場所というのはほとんどありません。ですが,糞尿による汚染を防ぐためのトイレの整備や,小道の整備には本来費用がかかるものです。受益者負担のこの仕組みは実はすごいことです。
利用者にとっては果樹園と似たような感覚ですが,山歩きが好きな私の目から取ると有料で林を守る仕組みが出来ているように感じられます。
【それでも遭難注意!】
遭難への対策は自己責任との認識をお願いします。タケノコ園として管理されているとはいえども,リスクはゼロに出来ません。管理者はある程度まで遭難のリスクを抑える工夫をしていましたが,自然の中なので完全にコントロール出来る部類のことではありません。また,管理者の方はレスキュー隊でもありません。
私は厳密な法的責任については詳しくありませんが,普段の生活とは異なるリスクがあること,そして自分で身を守るという意識が最も遭難の危険性を下げることを強調してお伝えします。
【林道走行も注意!】
上二股タケノコ園へは一部ガケの下を通る林道を通行しなければなりません。路肩も弱く,舗装道路を行くのとは状況が異なります。普通の道路を行くのとは異なる高いリスクがあります。自分で身を守るという意識が最も事故の危険性を下げると強調させて頂きます。
#遭難対策は大切な事なので本題に入る前に長々と書いてしまいました。
———-
上二股タケノコ園:
例年,5月下旬から6月上旬にかけて国有林の一部がタケノコ園として開園されます。
北斗市中山,国道227号線から北側,上二股沿いにある林道を入ります。
北斗市中山,国道227号線から北側,上二股沿いにある林道を入ります。
函館市内から車で1時間程度です。
国道からの入り口には看板が出ています。
ガケ下を通る林道,道迷いの危険,ヒグマとの遭遇の危険がありますので,御承知のうえの行動を。
また,その日の天候やクマ出没等により開園されない可能性もあります。
2009年の場合;
開園期間:5月22日~6月上旬 6:00-14:00
(#6月13日時点でまだ開いているかどうかは未確認ですが,函館周辺はシーズン終盤です。)
入園料:700円/人,中学生以下無料
駐車場:100台
トイレ有り
問い合わせ先:渡島森林管理署(0137-63-2141)
タグ: はこだてサイエンス観光マップ, タケノコ, 上二股タケノコ園, 山菜, 自然

